岐阜県中濃医療圏に位置する美濃市の人口は2020年国勢調査で19,247人です。
この数値は、2015年の20,760人と比較すると2015〜2020年の人口増減率が-7.29%となっており、全国平均の-0.75%を大きく上回る減少傾向にあります。
また65歳以上の高齢化率は36.30%で全国平均28.60%を上回り、人口の3人に1人以上が高齢者であることから、高齢化が著しく進行している地域であることがわかります。
人口密度は2020年時点で164.50人/km²となっており、人口規模の縮小とともに地域医療の持続性が課題となっています。
次に美濃市内の医療機関数をみると、一般診療所は9施設で人口10万人あたり46.76件となっており、全国平均(70.26件)を大きく下回っています。
診療科別では内科系が中心であり、外科系や専門診療科の選択肢は限定的です。
病院は実質1施設(美濃市立美濃病院:122病床)であり、人口規模に対して入院医療機能は非常に限定的であるといえます。
このような状況から、高度医療や急性期医療については周辺自治体の医療機関への依存度が高い構造となっています。
医療従事者の状況についてみると、常勤医師数は19名で人口10万人あたり98.72 人となっており、全国平均(約257.90人)と比較して大きく下回る水準にあります。
このことから、医療提供体制において人的資源の不足が顕著であり、地域医療を維持するうえで医師確保が重要な課題となっています。
病床数については、病院病床が122床で人口10万人あたり633.87床となっており、全国平均(1,144.75床)を大きく下回っています。
内訳はすべて一般病床であり、療養病床や精神病床は市内に存在しない構造となっています。
このため、慢性期医療や長期療養についても周辺地域との連携が不可欠です。
限られた病床数の中で医療提供を行っているため、医療機関間の役割分担や地域連携の重要性が高い地域といえるでしょう。
一方で介護資源については、入所定員数(入所型)が255人となっており、75歳以上千人あたりの定員数は73.66人と、全国平均の78.44人に比べてやや少ない傾向にあります。
特に75歳以上人口の増加に伴い、通所型・入所型サービスの需要が高まっており、介護分野の重要性は今後さらに高まる見込みです。
こうした状況から、美濃市は人口減少と高齢化が急速に進行する中で、医療資源は不足傾向にある一方、介護分野の役割が相対的に大きい地域であることがわかります。
医療需要について将来推計をみると、人口減少の影響を受けて今後は緩やかに減少していくことが予想されます。
総人口は2020年の19,247人から2050年には11,343人まで減少する見込みであり、医療需要もそれに連動して縮小する可能性が高いと考えられます。
一方で後期高齢者人口は2030年前後にピークを迎える見込みであり、短期的には医療需要が維持される局面も想定されます。
では次に介護ニーズの将来推移についてみてみましょう。
後期高齢者人口は2020年の3,462人から2030年には4,235人へ増加する見込みであり、この期間に介護需要は大きく伸びると予測されます。
その後は総人口減少に伴い緩やかに減少に転じるものの、高い水準で推移することが見込まれます。
このように美濃市では、医療需要は中長期的に減少傾向にある一方で、介護需要は2020年代後半から2030年代前半にかけてピークを迎える構造となっています。
そのため、医師募集ニーズも変動するでしょう。
総じて、美濃市は医療資源の不足が大きな課題である一方、高齢化の進行に伴い介護ニーズが拡大する地域であり、医療と介護の連携強化が不可欠です。