長崎県島原市は、県南東部の島原半島に位置し、雲仙市などに接しています。市内西部には、雲仙岳の山々が連なり、東部は有明海に面しています。農業や畜産が盛んで、加工品である手延べ素麺は、全国のスーパーにおいて今ではお馴染みとなりました。普賢岳の火山灰を利用した、有明海産の魚の灰干しも人気を誇っており、これらの売り上げは、地元観光産業にも大いに貢献しています。
しかしながら、少子・高齢化の波には勝てず、若い人の都市部移住を好む傾向は根強く、人口の減少は深刻な問題のままです。こうした流失に歯止めをかけるべく、市の魅力を高めるためのさまざまな取り組みの一つとして、例えば子育て世代に関しては、経済面から、オムツや授乳、離乳食など一連の商品購入に、一定の条件を設けて助成をしています。第3子以降にも一人につき、月額3,000円分の購入券支給は、家計に多大な援助となり、かなりの高評価を得ています。また、小学生以下の児童が2人以上いる世帯で、第2子以降の児童が、保育園・幼稚園および認定こども園に入園しているところは、保育料が無料となります。市ではさらに、保健師などの協力を得て、市内各所に育児サークルを設けたり、そこから派生した、母親同士の食物アレルギーの勉強会開催や育児情報誌発行の支援などを行っています。こうした継続的取り組みを通して、子どもに関与することのない若い人たちや、子育て終了世代の関心を集めつつあり、近隣町村からも注目を浴びています。