奈良県天理市には人口63,889人(2020年国勢調査)が住んでいます。
奈良県天理市の2015~2020年における人口増減率は-5.21%と、周辺地域(奈良市の-1.58%)に比べて減少幅が非常に高い地域です。
また、奈良県天理市の高齢化率を調べるてみると、26.40%となっており約4人に1人が65才以上の高齢者が住む地域だということがわかります。
そんな奈良県天理市の医療施設数を調べてみると、病院が5施設(公益財団法人 天理よろづ相談所病院:715病床、社会医療法人高清会 高井病院:376病床、医療法人健和会奈良東病院:170病床、公益財団法人 天理よろづ相談所病院白川分院:143病床、医療法人髙宮会 髙宮病院:40病床)あることがわかりました。
また、一般診療所数は 32施設あることがわかりました。
次に、医療機関の絶対数だけでなく、人口対比で換算した時の天理市の医療機関数の状況について調べてみましょう。
医療機関数を人口対比で調査したデータを確認すると、奈良県天理市の病院数は全国平均値に比べて多く、診療所数は全国平均値に対しては少ないことがわかりました。
具体的には、奈良県天理市の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.49に比べ7.83と、約1.4ポイント高い状況でした。
また一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字をチェックすると、全国平均値69.75に対して50.09と、約19ポイント低い状態であることがわかりました。(参照元:2021年11月現在の地域内医療機関情報の集計値/人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算)
これらの結果から、奈良県天理市は診療所数が少ないため、病院への依存度が高い地域であることが推測できます。
では次に、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数もチェックしてみると、奈良県天理市に常勤している常勤医師在籍数は368名であることがわかりました。(2021年11月現在の地域内医療機関情報の集計値)
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数250.83人と比べて576.00人と、全国平均値に比べて約2倍以上でした。
つまり、奈良県天理市の医療資源を考えた時、病院数・常勤医指数ともに全国平均以上であることがわかります。
これらの情報から、天理市は自前の医療資源だけで十分な医療を提供できていることが推測できます。
結果的に、医師が転職する選択肢も多くあるとが言えるでしょう。
一方で、他の地域に比べて医師の募集ニーズは低くなるため、転職の際に行う条件交渉は、医療機関が優勢に進めやすい地域と言えます。
では次に、奈良県天理市の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックしましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、奈良県天理市の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では104、2030年は103、2035年は100、2040年では98、2045年予測では96と、2020年に比べて約4ポイント減少するものの、大きくは現状と変わらないと予想できます。
これらの数値から奈良県天理市の医療ニーズも現状維持すると考えられます。
つまり、25年後の常勤医師不足感は現状とさほど変わらないと考えて良いでしょう。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では117、2030年は121、2035年は119、2040年では119、2045年予測では121と、2045年までに約21ポイント増加することがわかりました。
つまり、奈良県天理市の介護現場での常勤医師募集ニーズは現状より高くなる可能性があると言えます。