三重県紀北町には人口14,604人(2020年国勢調査)が住んでいます。
三重県紀北町の2015~2020年における人口増減率は-10.61%と減少傾向となっています。
紀北町を含む東紀州医療圏に位置する地域の人口増減率を比べると、尾鷲市-9.76%、熊野市-7.83%、御浜町-7.57%、紀宝町-7.91%となっており、紀北町の人口減少率は周辺地域に比べて多い傾向であることがわかりました。
ちなみに、全国の人口増減率は-0.75%であるため、紀北町の人口減少率は、全国平均値よりも約10倍以上の減少率であることがわかります。
次に、三重県紀北町の高齢化率を調べてみると45.80%で、紀北町に住む約5分の2以上の人が65才以上の高齢者でした。
この数値を全国の高齢化率28.00%と比べてみると、紀北町の高齢化率が全国平均レベルよりも高いことがわかります。
では次に、三重県紀北町の医療施設数をチェックしてみましょう。
調べてみると、病院が2施設(病院 第一病院:192病床、長島回生病院:74病床)、一般診療所数は12施設あることがわかりました。
絶対数だけ見ると病院数/診療所数ともに少なく感じますが、人口対比で換算するとどのような状況なのでしょうか。
調べてみると、病院数は全国平均の2倍以上、診療所数は全国平均より多い地域であることがわかりました。
具体的なデータをご紹介します。
三重県紀北町の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.46に比べ13.69と2倍以上の差となっていました。
また、一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字は、全国平均値69.98に対して82.17と約13ポイント多い数値であることがわかりました。
これらのデータから、病院数は/診療所数ともに人口に対して全国平均以上であることがわかりました。(参照元:2022年11月現在の地域内医療機関情報の集計値(人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算))
では、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数をチェックしてみると、三重県紀北町に常勤している常勤医師在籍数は18名でした。
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数253.66人と比べて123.25人と約2分の1と少ない数値となっていました。
この結果から、全国平均に比べて三重県紀北町の常勤医師が不足している地域と言えます。
これらの医療資源に関するデータをまとめると、病院数も診療所数は全国平均値以上あるものの、常勤医師数は全国平均の半分ほどと少ない地域であることがわかりました。
結果的に、他の地域に比べて医師の募集ニーズは高い地域と言えるでしょう。
そのため、転職の際に行う条件交渉は医療機関よりも医師の希望が優先される可能性があると言えます。
しかし、今後数十年後も医師のニーズ状況が現状を維持するとは限りません。
なぜなら紀北町の人口が減少傾向だからです。
そこで、三重県紀北町の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックし、医師の募集ニーズを推測してみましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、三重県紀北町の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では94、2030年は87、2035年は78、2040年では70、2045年予測では63と、2020年に比べ37ポイント減少する予想になっていました。
これらの数値から三重県紀北町の医療ニーズは、現状の約4割減る可能性があります。
結果的に、医師の募集ニーズも減少するでしょう。
そのため、長く働く場所として医師の転職先としてはお勧めしづらいエリアです。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では103、2030年は99、2035年は88、2040年では80、2045年予測では72と、2020年に比べて28ポイント減少する予想となっていました。
これらの数値から、三重県紀北町の介護ニーズも、現状より減少し、介護領域の医師の募集ニーズも減少する可能性が高いと言えます。