愛知県南知多町には人口16,617人(2020年国勢調査)が住んでいます。
愛知県南知多町の2015~2020年における人口増減率は-11.17%と激減する傾向になっています。
南知多町を含む知多半島医療圏に位置する地域と人口増減率を比べると、半田市は0.83%、常滑市は3.83%、東海市は1.65%、大府市は4.45%、阿久比町は2.29%、知多市は-0.30%、東浦町は-0.74%、美浜町は-4.58%、武豊町は2.50%となっており、知多半島医療圏のなかでも急激に減少する傾向の地域であることがわかります。
ちなみに、全国の人口増減率は-0.75%で南知多町と同じく減少傾向となっていますが、その割合に大きな違いがあることがわかります。
では次に、愛知県南知多町の高齢化率を調べてみると、38.90%となっており、南知多町に住む約3人に1人以上の人が65才以上の高齢者となっていました。
また、南知多町の高齢化率は、全国の高齢化率28.60%と比べても、約10ポイントも高い水準となっていました。
では次に、愛知県南知多町の医療施設数をチェックしてみましょう。
調べてみると、病院が1施設(医療法人 共生会 みどりの風 南知多病院:218病床)、一般診療所数は8施設であることがわかりました。
これらの医療機関数は、人口対比で換算した場合、病院は全国平均値と同じ程度になっています。
一方で、診療所は全国平均値より非常に少ないことがわかりました。具体的な数値は次のとおりです。
愛知県南知多町の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.40に比べて6.02と同水準となっていました。
反面、一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字は、全国平均値72.77に対し48.14と、約24ポイント下回っている状況でした。(参照元:最新の地域内医療機関情報の集計値(人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算))では、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数をチェックしてみると、愛知県南知多町に常勤している常勤医師在籍数は25名でした。
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数310.99人と比べて152.86人とこちらも2分の1以下という低い水準であることがわかりました。
この結果から、愛知県南知多町の常勤医師数は全国平均に比べて深刻な不足地域と言えます。
これらの医療資源に関するデータをまとめると、南知多町の医療資源は、診療所といったハード面だけではなく、常勤医師数といったソフト面においても、全国平均値に比べて医療資源が少ない地域であることがわかります。
結果的に、全国平均に比べて医師の募集ニーズはかなり高い地域と言えるでしょう。
しかし、現状の医師募集ニーズが今後も維持することは難しそうです。
なぜなら、南知多町の人口推移は、今後急激に減少することがわかっているためです。
そのため、医師の増加がどれほど望まれるかチェックしておくと良いでしょう。
そこで、愛知県南知多町の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックし、将来にわたっての医師の募集ニーズを確認してみましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、愛知県南知多町の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では97、2030年は92、2035年は85、2040年では78、2045年予測では70、2050年予測では62と、2020年水準から約38%も減少することがわかりました。
この急な減少傾向が今後続くことから、25年後の愛知県南知多町の医療ニーズは現状よりも低い状態に変化していくと考えられます。
結果的に、医師の募集ニーズも現状よりも低くなっていくでしょう。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では107、2030年は107、2035年は103、2040年では99、2045年予測では90、2050年予測では82と、2020年に比べて約18%減少する予想になっています。
特に、2040年から2050年にかけての10年間は、ニーズが急激に減少する予想になっています。
これらの数値から、愛知県南知多町の介護ニーズは現状より約2割程度減少し、介護領域の医師の募集ニーズも0.8倍ほどに減る可能性が高い地域といえます。