現在、国をあげて慢性期・回復期の受け皿となる在宅医療に注力しています。
そんな中、在宅医療の推進を阻害している要因としてまず挙げられるのが、「往診してくれる医師がいない」「訪問看護/介護体制が整っていない」という、在宅医療サービスの供給が需要に追いついていないという要素があります。
次に「24時間、相談にのってくれるところがない」「症状が急変した時の対応が不安」という24時間365日在宅医療を提供できる体制づくりが追いついていないという要素が挙げられます。
最後に「症状が急変した時にすぐに入院できない」という在宅医療を支える後方ベッドの確保や整備をあげることができます。
これらの3つのニーズをサービスとして提供するために、訪問診療の現場で医師募集のニーズは高まっています。また、訪問診療をメインとするクリニックと他のクリニックの大きな違いは、24時間対応できる体制づくりが求められている点です。
しかし、一人開業医だけで24時間診療を行った場合、医師への負担が大きいために継続的に訪問診療サービスを提供することが難しいのが現状です。在宅療養支援診療所の医師の約7割が24時間体制へ負担を感じているという調査結果もあるほどです。では、何人体制であれば、医師への負担を軽減でき、訪問診療をはじめとした在宅医療を継続して提供できるのでしょうか。
在宅療養支援診療所の医師を対象に行った調査では、「3人以上で24時間体制をとる場合、医師の負担感が少ない」ということがわかっています
人口10万人あたりの在宅療養支援病院数を見ると、全国平均値が0.41であるのに対して東京都は0.19と約半分であることがわかります。一方で、人口10万人あたりの在宅療養支援診療所数を見ると、全国平均値が10.1であるのに対して東京都は10.8と全国平均値と同等の数値でした。
これらの数値から、東京都の訪問診療は開業医によって支えられていることがわかります。東京都の75歳以上の人口は急激な増加の一途をたどることを考えると、訪問診療で活躍する医師数はさらに増加することが求められるでしょう。国も訪問診療をはじめとした在宅医療現場を支える人材確保のために、「他職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成」に予算をつけて注力しています。
ちなみに、病院が行う「往診・訪問診療件数」は減少傾向、診療所が行う「往診・訪問診療件数」は増加傾向にあります。病院の訪問診療件数は1施設あたり平均して30件で、診療所の訪問診療件数は1施設あたり平均して27.8件ですので、病院も診療所も大きな差がなく訪問されていることがわかります。
診療所で訪問件数が伸びた一番の要因は、施設訪問を行う診療所が増えていることが背景としてあります。施設訪問は一度に多くの方を診療できます。一方で個人宅をメインに訪問する診療所もあります。それぞれ方針があるので、転職を検討される場合は事前にチェックすることが重要です。訪問診療への転職でよくある質問は「オンコール数」ですが、最近はオンコール無しの求人もあります。オンコールがある場合も、待機方法などは違いがありますので確認が必要です。
東京都内の訪問診療の現場で働ける医師募集求人情報をご紹介します。