埼玉県で精神科病床をもつ500床以上の大規模病院は5つあります。
それは埼玉医科大学病院、防衛医科大学校病院、毛呂病院、戸田病院、西熊谷病院です。埼玉医科大学病院や防衛医科大学校病院は大学病院のため、スキルアップや研究に興味のある精神科医に人気の病院です。例えば埼玉医科大学病院では、症例数が少ないとされる児童・思春期外来も専門外来として設けています。また、防衛医科大学校病院ではデータに基づく治療法を徹底しているため、裏付けのある治療を学ぶことができます。このように、大学病院はこれから精神科医として一人前になるための症例や研究が集まっており大変魅力的な職場ですが、なかなか転職が難しいのがボトルネックとなっています。転職の難易度をあげているのは医局の存在です。
一方、毛呂病院では認知症疾患医療センター事業を埼玉県から任されており、これによって行政とかかりつけ医、大学病院とも連携をとり認知症ケアを実施されています。また、緩和ケア病棟もあり、三大疾病の1つであるがん患者さんにも対応しています。また戸田病院は、精神科救急医療指定病院として指定されています。戸田病院でも、今後ますます増加すると言われる認知療法・認知行動療法に積極的に取組まれています。このように、民間病院でありながらも行政の一部として機能したり、今後の精神医療ニーズにそった対策をされている病院は、積極的に精神科医の募集をされているところが多く、転職難易度も比較的低くなってきます。5つ目に紹介する西熊谷病院は、こちらも埼玉県認知症医療センターを埼玉県から委任されており、地域の精神科クリニックへの情報発信や研修を提供されています。
このようにある程度規模が大きい病院になれば、大学病院でなくても施設や機材・症例などは自ずと集まってくるため、スキルアップしたい精神科医にはおすすめといえます。しかし一方で、仕事量が多く、オンコールや当直業務もハードになりがちです。そのため、転職前には緊急対応数や常勤医数を把握して無理なく対応できる体制が敷かれているのかをチェックすることが重要です。
埼玉県での精神科医募集傾向として最も顕著な点は「精神保健指定医の不足」ということです。毎年、精神保健指定医の取得数は増加傾向にあり失効数も減少していますが、埼玉県内で精神保健指定医を取得している医師数は約280~290名程度と、人口や病床数比率で見ても東京よりも少なくなっています。
精神保健指定医の不足は、精神科の救急医療体制が円滑にいかず精神疾患をもつ患者が十分な治療を受けづらくなることを意味しています。そこで、医療機関は精神保健指定医の確保のために、関連団体に対して協力を依頼するのはもちろん、措置診察1件あたりの報酬を引き上げたり、タクシーを使用した場合の料金を負担するケースも少なくありません。そんな状況もあり、埼玉県内で精神科として年収アップを検討されている場合は、精神保健指定医のニーズが高い病院が対象になることを知っておくとよいでしょう。
例えば、大宮厚生病院は精神保健指定医の常勤医師を随時募集しております。(2015年1月現在)また、埼玉精神神経センターは課題とされている精神救急対応について注力されており、50床の救急病棟と30床の急性期病を設置されています。しかし、それでも休みなく24時間受け入れられるようにするには医師や看護師の不足が否めません。そのため精神科医の募集情報が掲載されていない場合でも、経験値やモチベーションによっては採用してもらえる可能性があります。
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