千葉県の産婦人科医募集にまつわる情報を「ホント?ウソ?」というクイズ形式でご紹介します。
(1)1つ目は「千葉県の産婦人科医数は減少している」に関するホント・ウソです。この情報はホント・ウソのどちらでしょうか。正解は・・・「ウソ」です。厚生労働省が隔年12月に行っている「医師・歯科医師・薬剤師調査」では、平成16年に421人だった産婦人科医数は、平成18年には407人,平成20年には405人と減少傾向にありましたが、平成22年には415人、平成24年には437人にまで増加してきています。これは、千葉県の行政・産婦人科医が行った「産婦人科医の集約化による医師負担の軽減」や「千葉県内の附属大学(私立大学)学生への奨学金支給」という対策が功を奏したものと考えらます。しかし、このような状況の中でも千葉県内の産婦人科医が充足することはなく、大学附属病院や総合病院以外に在籍している常勤医は、ハイリスクな症例を過労働の中で対応することが強いられている状況です。
(2)次に「千葉県の産婦人科医療の質は二極化している」という情報に関するホント・ウソです。これは「ウソ」が正解です。現在、千葉県では人口が集中している「千葉・東葛南部・東葛北部・印旛」エリアと過疎部である「香取海匝・山武長生夷隅・安房・君津・市原」エリア間で周産期医療の質が大きく二極化していると考えられてきました。このような考えは「エリアごとの分娩関連施設数」が誘因していると考えられます。例えば、千葉エリアの分娩関連施設数は19施設/東葛南部エリアでは24施設/東葛北部エリアでは17施設/印旛エリアでは15施設とエリア内に15以上の施設があるのに対して、香取海匝エリアは7施設、山武長生夷隅エリアは7施設、安房エリアは3施設、君津エリアは7施設、市原エリアは6施設とエリア内に7以下の施設しかない状況です。特に新生児医療やリスクの高い分娩に対応できる周産期母子医療センターといった施設数にも大きな違いがあります。しかし、医師一人あたりの分娩数でみると夷隅長生エリアが最も多く165件、次に東葛北部エリアで140件、そして千葉エリア130件となり、人口密集エリアでも医療資源が足りていないことが分かります。
(3)最後のホント・ウソは「千葉県内の周産期関連のドクターヘリによる搬送回数は全国で1番多い」です。この情報はホントでしょうか。ウソでしょうか。正解は「ウソ」です。千葉県のドクターヘリによる母体搬送数は13件と、隣接する東京都5件、神奈川県4件に比べると圧倒的な数ですが、日本で最も多いのは静岡県15件でした。(平成18年厚生労働省科学研究小濱班調べ)これは、千葉県の地理的な要因と交通アクセスの問題が関連すると考えられます。救急車の場合は渋滞や道を誤ることもありますが、ドクターヘリの場合は目的の病院まで一直線で搬送できるため、時間短縮が可能になっています。ドクターヘリの搬送が可能になることによって、長距離搬送を実現できるためエリア間での格差を埋めることにつながります。それだけに留まらず、周産期医療の集約化が可能になるため医師一人あたりの負担も軽減されていくでしょう。
千葉県内の周産期医療、つまり産婦人科医を取りまく課題についてご紹介してきましたが、この章では「千葉県内の産婦人科募集における採用基準」についてご紹介したいと思います。採用基準を知っておくことで、病院から提示される「年収」や「当直回数」が妥当なのかを判断できるようになります。
まず年収に関してです。経験5年目であれば年収1000万円~、10年目であれば年収1200万円~というのが基準になります。千葉市や浦安市など都内へのアクセスのよい人口密集エリアの場合、この年収帯よりもやや低めに提示されることがあります。年収をアップするためには、(1)専門医などの専門資格があること(2)経験年数が長いこと(役職付き転職)(3)手術件数を増やす(4)当直・オンコール当番を多く受け持つ(5)新規開設クリニック・クリニック院長としての転職(6)急募中の病院・クリニックへの転職といった方法があります。現在、千葉県内で産婦人科を募集されている病院で最も高額な年収は2000万円~2400万円です。この病院は常勤医師を急募されており、早期入職が可能であれば年収がアップするという条件を出されています。またクリニックで探してみると、婦人科・産婦人科クリニック院長として募集されている年収2000~2500万円が最も高額な提示でした。年収が高額であることと引き換えに病院・クリニックから求められる責任は大きくなります。年収だけにとらわれず、勤務のハードさもバランスをみて求人情報をチェックすることが重要です。
次に当直回数に関してです。当直回数は、月3回前後が一般的な回数です。多いところだと週1回、少ないところであれば当直なしでも相談に乗ってもらえる病院も増えてきました。これは、産婦人科医の女性医師率が上昇していることも関係していると思われます。女性医師が子育て中でも勤務し続けられる環境を整えることが、医師招聘に大きく影響を与えることを病院側も気づいています。もちろん、当直回数を少なく条件交渉すると年収は減額になります。年収と勤務時間のバランスが必要になります。ここでは、年収と当直回数に的を絞って紹介しましたが、実際にはもっと細かく採用基準が設けられています。内容について確認をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせください。
先ほどは年収や当直回数の採用基準について紹介しましたが、ここでは「年収」「働きやすさ」のバランスの取れた千葉県内で募集されている産婦人科求人をご紹介します。
もちろん、ここに掲載できない募集中の産婦人科求人もあります。ネットではなかなか希望に合う求人がないという時は、お気軽にお問い合わせください。