現場の医師不足を補うための電話相談窓口開設

現場の医師不足を補うための電話相談窓口開設

医療現場での医師不足や偏在は社会的にも問題視されていますが、根本的に問題を解消するのは一朝一夕の取り組みで叶うものではありません。
現在養成する医師数を増やそうとしているとはいえ、医学生の人気はやはり極地化します。
学生人気上位から順にランキングしていくと、人気第1位は放射線科、第2位が皮膚科、3位が麻酔科で4位が耳鼻科です。
それに対して不人気の上位は、1位が小児科、2位救急、3位心臓外科でした。

このランキングから見て順当なのかもしれませんが、街中で開業が相次ぐ皮膚科、耳鼻科に対して、小児科、救急慢性的な人手不足にあえいでいます。

夜間の症に診療、医師の負担を軽減する電話

現場の医師不足を補うための電話相談窓口開設

兵庫県尼崎市水堂町の休日夜間急病診療所で、7月15日から小児科の診療時間大幅に短縮されることになりました。
医師の人手不足を受けて、担当医の負担を少しでも軽減しようとまず電話受付でトリアージを済ませてからの診察にしよう、という事になったのです。

人手不足は以前から続いていましたが、それでも朝まで受け付ける体制を貫いてきた施設です。なぜ今になって時間短縮を余儀なくされたかというと、医師の専門化が進んだ影響だと考えられます。

7月15日からは、0時を過ぎてからの利用には必ず前もって電話で問い合わせるシステムに移行し、すぐに対応が必要だと判断された時だけ病院に駆け込み、医師に診察してもらえるという仕組みになるのだとか。
そのようにして医師が対応する段階を引き上げる事で、担当の医師の疲弊を少しでも和らげるのが狙いだと言います。

小児科医が不人気な理由とは?

現場の医師不足を補うための電話相談窓口開設

命に密接にかかわる診療科ほど、これから医師を目指そうとする学生には避けられがちです。では、小児科はなぜ嫌われるのでしょうか。

小児科は日本の36科目の中で最も学生人気のない科目です。1300人の医学生を対象とした意識調査では72%が小児科医になりたくないと回答し、現役小児科医に質問を投げかけてみてもやはり7割以上が自分の子供に小児科医をさせたくないと答えたのだとか。
その理由は、日本社会で進む少子化によって、小児科医の将来性が不安がられているというものです。
さらに、小児科がほかの科に比べて収入が少ない事、また、小児科は成人患者を相手にするよりも診察に3倍時間がかかると言われている事。この3点が、小児科が忌避される主な原因です。

電話受付によるトリアージは医師と患者を救うのか


尼崎市の休日夜間急病診療所は人手不足ながら、夜間から翌朝午前5時半まで診療を受け付けてきました。しかし、7月15日からは、午前0時以降すべての問い合わせを電話受付のトリアージを通さなければならなくなります。
診察が必要と判断されれば県立尼崎総合医療センターに紹介してもらえますが、西宮市の応急診療所の受付が午後11時15分に終了してから午前0時まで45分間のタイムラグが生じる事になります。その上、市内の医療機関ではこの命の電話を毎日カバーすることはできません。
それほどの人材不足なのです。
ですので、電話応対に関しては阪神北広域こども急病センターに負担金を支払う形で電話相談を受けてもらうことになります。

7月16日から受け付け開始するこの相談窓口の名前は「あまがさき小児救急相談ダイヤル」です。
現在人材不足で厳しい状況にあるのは小児科だけではありません。しかし、診療受付時間がますます縮小し、子供が受診できる病院がこのまま減っていけば、いずれ助かるはずの病で助からない子供の割合は増えていくでしょう。
どうすれば救える子供たちを取りこぼさずに済むのか、人材不足の科目を充実させられるのか、対応が急がれます。

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