「医師の偏在」では終わらない!地域医療の担い手不足

「医師の偏在」では終わらない!地域医療の担い手不足

日本の医療制度は、多くの先進諸国もうらやましがると言われる
「国民皆保険」です。
しかし、実は今この制度そのものが破たんの危機を迎えようとしている
ことをご存じでしょうか。

国民皆保険制度の成立には、国民一人当たりに十分な医療サービスが供給されなければなりません。

しかし、現在主に地方を中心として医療の担い手不足が加速しており、
保険料の納付による医療サービスの保障という「約束」が崩れかけているのです。

医師不足の現状と向き合った対策について

「検案医」不足の解消を目指す徳島県の取り組み

「医師不足」が社会問題化してからは国家的な取り組みとしても医師数を増やすための議論が推敲されてきましたが、いまだにはっきりとした成果が表れているとは言えないでしょう。

より深刻な医師不足に苦しむ地方では独自の対策が急がれるようになり、最近では長崎県で地元出身の医師をデータベース化する取り組みが始まりました。

目的は、Uターンを希望する医師を見つけ出し、その人員を把握し、後継者がいない地元病院とのマッチングにつなげたいのだとか。

地方の医師不足を加速する要因のひとつが、地域医療を担う地元病院における医療従事者の高齢化や後継者不足です。
このデータベースの活用には、主要都市部などに偏った医師を地方に取り戻す期待がかけられており、地域創生事業として約900万円の事業費が注入されています。

地域事業の予算としては小さくないことからも、どれだけ医師不足が危機的状況に追い詰められているかが推察できるのではないでしょうか。

県域内でもさらに偏る「医師の不在」

「検案」は医師になるための必修科目

長崎県の場合、県内でもさらに医師の分布が偏っています。
県内全域の医師数は287.3人、それに対して佐世保県北圏域には
225.3人、佐世保市を除いた県北地域には126.8人
しかいません。

医師が慢性的に不足していると言われる離島部ですら161.4人が平均値であることを考えればその密度の低さがどれほど危機的なものかが
分かります。

地方の医師不足を加速するもうひとつの要因として、地方で育った医師の地元定着率の低さが提言されるようになりました。

数字で見ると、医師として養成された県から他県に流出する割合は最大で68%に及びます。
こうして流出した医師がどこへ流入するかと言えば、主に千葉、埼玉などの主要都市近郊であり、最も多かった千葉県では育成した人員をはるかに上回る232.3%が吸収されているのだとか。

OECD各国の医療サービスを比較した平均値では、人口1000人当たりの医師数は現在3.1人です。
2006年時点で2.0だった日本もじりじりと数字を伸ばして2.38になったようですが、実体としてはまだまだ
足りません。
そのうえこのように大都市圏に医師が集中していれば、地方における地域医療の崩壊は目前と言えるでしょう。

その状況を受けて地方では医師の仕事環境などの受け入れ態勢を改善しようという動きも活発になっています。
もしもこれから医師としてどのように働くべきか考えていらっしゃる方は、在り方の一つとして地方に根を下ろすことを考えてみてはいかがでしょうか。

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